女性ライダーのお尻の痛みを解消する

藤下さんのミクシイから

 クマフィッティングではサドルの前後位置、取付角度、高さをミリ単位で調整します。
 男性ライダーの場合は、サドルの上の面の水平を出します。
 ただし、サドルの後端と先端に鋼尺などを乗せて線を結び、それを水平に設定するのではありません。

 もちろん、それでサドルの水平が出る場合もありますが、厳密には、サドルの中央付近で座骨や股関節の内側が触れる位置を見極めて、そこを水平に設定することが、クマフィットのサドルの水平の設定です。
 だから、見た目はサドルが前上がりだったり、前下がりだったりすることもあります。

 走り終わった後で鼠蹊部を触ると、床ずれ的に痛くなってることがある、座骨や股関節の内側が、サドルの水平の面に触れることで、腰の位置が安定して、踏み込む脚の力に耐えて、腰をしっかり固定できるようになります。

 腰の固定力を発揮するには骨盤の傾きが重要で、おへそをステムに近づけるように、背中を反らすくらいのイメージで背骨を真っ直ぐに保ちます。
 すると自然に骨盤が動いて、サドルの中央から先端にかけての圧力が増します。

 その他にも骨盤の傾斜の最適化を体験できます。緩い上り坂で、毎分50回転できるくらいのアウター×トップギヤなどの重いギヤ比でペダリングして、ハンドルには手を沿えるだけで、腕の引きを使わないでペダリングすると、自然に腰の固定力を増して踏み込むペダリングしようと、骨盤の傾斜が変化して尿道を圧迫するような感じになります。

 骨盤の角度が自然に動いて、サドルの中央から先端にかけて、男性ライダーの場合は座骨や尿道をサドルへ押し付けるような感じになり、長く走れば尿道がシビレてきたり、股関節付近や座骨付近が血行障害を起こして、床ずれ的に痛くなることがあります。

 女性ライダーの場合は、背骨を反らせるくらいのイメージで真っ直ぐにすると、骨盤が自然に動いて、どんなにいいバイクパンツをはいていたり、女性用と言われる穴開きゃ溝付きやクッションの入ったサドルを「水平」にセットしても、サドルの中央から先端にかけて性器を圧迫するような状態になり、痛みが発生する可能性があります。

 背中がブリッジのように丸くして走っている女性ライダーをよく見かけます。
 腰椎を深く曲げて、背骨もブリッジ状に曲げて、骨盤が時計方向へ動いて、性器とサドルとの接触や圧迫する姿勢になるのを避けて走っているのです。

 そういうライダーは、上半身の重さや脚の筋力を有効に利用して、本来の力で脚を踏み込んでペダリングできていないのです。
 そのブリッジのような姿勢を支えることで腰回りの筋肉を疲れさせて、腰痛の原因になることもあります。
 その姿勢から開放するためにはサドルの前上がりの設定が効果的です。

 腰のサドルへの固定力を発揮して、パワフルな本来のペダリングを実現するには、まず、サドルと性器の圧迫や接触を極力避ける構造のサドルを選ぶことです。
 女性用サドルにありがちなぶよぶよのパッドでは,サドルに腰が沈み込んでかえって圧迫を増してしまうこともあります。

 男性ライダーが使うような普通の厚さとクッション性で、サドルの中央から先端にかけて溝付きのサドルを選ぶことです。
 女性用サドルを見ると、サドルの後半が欧米人の体格の大きい女性ライダー向きの設計で広くなっていたり、過剰なクッションが入れられています。
 男性用の溝付きサドルが身長170cm以下の日本人女性の体格にはぴったりです。

 溝付きのサドルの上の面を、水平ではなく、前を5mmから15mmくらい下げて、前下がりに設定して性器への接触を避けたり、圧力を分散して、痛みの発生を防ぎます。すると、骨盤を傾けて腰の固定力を増すことができて、パワフルな踏み込みをサドルがサポートすることになります。

 見た目前下がりのスロープになったサドルの設定を見て、男性ライダーもフィッターも、腰が前に落ちてこないかと心配されますが、サドルの前後位置が出ていて、骨盤を傾斜させても性器の痛みが発生しにくく、腰の固定力が増しているので、ペダリングしても腰はサドルの上で安定します。

 サドルの傾斜はサドルの構造やライダーによって個人差はありますが、前下がりの設定は、まったく問題ありません。では、穴開きサドルはどうか?
 性器を圧迫しない、触れないという点では、短時間のライドなら我慢できると思います。

 でも、サドルの中央に穴開きのサドルは、長い時間走っていると、穴の淵が血行障害の原因になり、痛み発生の原因になる可能性があります。
 溝付きのサドルは溝の淵がスロープになっていて圧力が集中する場所が少なく、性器との接触も避けられるし、圧迫も上手く分散してくれます。